2月4日

 8時に起きて、入念にストレッチをする。ケータイを復旧したのち、ジョギングに出る。昨日観劇中にも感じたことだが、どうにも身体が鈍っている。浅草まで足を延ばすつもりでいたけれど、不忍池を眺めて引き返す。スーパーマーケットで豚挽き肉ともやしとニラを、セブンイレブンで焼きそばパンとインスタントコーヒーを買って帰る。いつもは「やなか珈琲」で豆を購入しているのだが、ケータイが止まっていたような人間が100グラムで700円ぐらいするコーヒー豆を買っている場合なのかと思い直し、300円ほどのインスタントコーヒーを選んだ。

 テレビをつけると、北陸では春一番が観測されたと報じている。洗濯機のドライコースでセーターとマフラーと手袋を洗ったのち、他の洗濯物たちを通常コースで洗う。明日出演する番組に、話せそうな内容と、資料に使えそうな画像をピックアップして送信。昼、マルちゃん正麺(味噌)。午後はメールのやりとりなど。しばらく着ていなかったジャケットに、スチームアイロンで蒸気をあてていると、知人が帰ってくる。夕方になって、パリの日記を書き始める。

 ふと、パリのドキュメントが掲載される予定の『文學界』(3月号)の情報は出ているのだろうかと検索してみる。Amazonに情報が登録されているものの、詳しい目次は掲載されていなかった。ただ、そこに「川上未映子最新長編 前編550枚」という文字を見つけ、色めき立つ。未映子さんが長編を執筆されていることは知っていた。そして、パリのドキュメント執筆にあたり、「ある長編を掲載する予定なので、文字数は増やせません」と釘を刺されていたのだが、点と点が繋がっていなかった。友人のA.Iさんに「パリのドキュメントが掲載される『文學界』に、未映子さんの長編が掲載されるみたいです!」とメールを送ると、すぐに「うれしい」と返信が届く。

 19時、知人が作ってくれた鳥野菜みそ鍋で晩酌。『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(第4話)観る。こんなに時代と真正面からぶつかろうとするドラマも珍しい気がする。現代のさまざまな出来事をミックスして扱っている。それでいてあまり青臭いと感じないのは、キャラクター監修にバカリズムが入っていたり、キャスティングが絶妙だったり、画づくりにもこだわりが感じられたりするからだろう。第4話は“落語的”で、スキャンダルでいがみ合っている当事者たちに、竹内結子演じる氷見が「敵はお互いじゃなくて、システム」と呼びかけ、それが大きなうねりとなって状況が改善される――という、「世界がこのようにあってくれればなあ」という質感が強いのがアレだけど、それでも面白く観た。

 続けて、『フルーツ宅配便』観る。濱田岳が知人の弟に似ているらしく、可愛い、××(弟の名前)にしか見えん、と嬉しそうに言う。どうしてそんなふうに思えるのか、自分は家族に対してそのような愛情を抱けずにいる。そう僕が伝えると、「やっぱり何か欠落してるんだと思う」と、知人は不憫そうに僕を見る。鳥野菜みそ鍋で腹がはちきれそうになり、21時過ぎには布団を敷き、知人は横になって眠り始める。僕はこの2週間でやっておくべきことを考えて、スケジュールを組んでおく。向こう一週間はかなりバタバタしそうだ。黒霧島のお湯割を飲みつつ、『激レアさんを連れてきた』を眺めて眠りにつく。