5月5日

 8時に起きる。洗い物をしようとしていると、珍しく知人が起きてきて、こっちは自分がやるのでコーヒーをお願いします、と言う。コーヒーを淹れて、昨日買っておいたあんぱんを食べながら朝刊を読んだ。一般参賀のことが報じられている。午前4時半頃から並んでいた17歳の少年が、「新しい陛下のおことばを最初に直接聞きたい」と語っている。その少年は印西市に暮らしているという。その少年が、午前4時半に皇居前にやってきて、「新しい陛下のおことばを最初に直接聞きたい」と語る。それは一体どういった心境なのだろう。どこから沸き起こってきたものなのだろう。

 1つ下の記事では、15歳未満の子供の数が報じられている。平成元年には2320万人だったのが、今年4月1日には1533万人だったとある。急速に少子高齢化が進んでいる――それはもちろん知っていたけれど、ここまで子供の数が減っているのかと驚く。3分の2以下だ。「もう駄目やろ」と知人が言う。子供を育てるということをまったく考えていないので、ぼんやり。新聞を読み終えると、気持ちを整えて、再校のゲラに目を通す。昼に豆腐納豆オクラそばを食べて、ゲラに赤を入れ続ける。16時、セブンイレブンで買ってきた柏餅。

 18時にようやく終わり、部屋着のままアパートを出る。前野健太の「こどもの日」を聴きながら団子坂を下っていると、少年野球帰りの子供とその父親とすれ違う。父親は同い年ぐらいで、聴いている歌のような状況だ。「遊んでばかりいられないってのもわかるけど、それじゃ歌はやってこないでしょう」。谷中ぎんざは今日も大賑わいで、「越後屋本店」は満杯だ。しばらく立ったままアサヒスーパードライを飲んだ。とっくに飲み終わっている人を見やりながら、あっという間に1杯目は飲み干してしまう。ようやく席が空き、琥珀エビスを飲んだ。帰りにスーパーマーケットに寄り、ツマミとレモンチューハイを買い求める。ここ二日間、カネコアヤノばかり聴いている。「恋しい日々」という曲に、「冷たいレモンと炭酸のやつ/買った」という歌詞が出てくるので、あまり得意ではないレモンチューハイを買ってしまった。

 アパートに戻り、少しだけゲラを見返す。「恋しい日々」の歌詞をプリントアウトしてキッチンに貼り、一曲リピートしながら晩酌の支度に取りかかる。ほどなくして知人が帰ってくる。ここ二日間で急速にカネコアヤノにハマりつつあるけれど、一緒に過ごしていない知人は、そのスピードにギョッとしている。「冷たいレモンと炭酸のやつって、絶対これじゃないやろ。え、まさか、それで苦手なレモンサワー買ったん」と知人が言う。これじゃなかったか。もやしの醤油炒めと棒棒鶏と焼き鳥をツマミに、『腐女子、うっかりゲイに告る。』(第3話)を観る。続けて、録画だけが溜まり続けていた『いだてん』、4話と5話をようやく観た。いろんな仕掛けが詰まっていて、観ると体力を使うので再生するのに覚悟がいるけれど、やはり面白い。