4月13日

 9時過ぎまで眠ってしまう。布団から這い出して、知人とふたり、台所で立ったままたまごかけごはんを食べる。外は雨が降っている。窓に雨粒が当たる。今日が雨だということは天気予報で知っていたけれど、思っていたより激しく降っている。雨が酷いから、取次の八木書店が臨時増刊『ユリイカ』(総特集=坪内祐三)の書影と目次をアップしている。原稿依頼のときに添付されていた企画書を引っ張り出して、そこに名前が挙がっていたけれど目次に載っていないひとを確認する。追悼文の依頼があったとして、それを断るということもひとつの態度で、活字にしなかった誰かのなかにあるものを、名前を見ながら、思い浮かべる。

 雨が激しいこともあり、知人は自宅で仕事をすることにしたらしかった。キャベツと豚コマを使い切ってしまおうと、お昼は近くの八百屋で麺とニラともやしを買ってきて、焼きそばを作ってふたりで食べる。午後、舞台『c』に向けた原稿を練るつもりでいたけれど、ネット通販で注文していた本がまとめて届いたので、先に『AMKR手帖』の原稿を考えることにする。居間に寝転がり、カラーブックスをぱらぱらめくり、メモをとる。本を読むだけで原稿が書けるだろうかと思っていたけれど、いくつかの視点が浮かんでくる。知人はYouTubeで期間限定配信されている嵐のライブ映像をテレビで再生しながら仕事をしている。昨日ツイッターで見かけた、「自分をピカチュウだと思っているインコが、テレビ画面のピカチュウの群れを見て動き出す」という動画が思い出され、それを真似していると、知人がめんどくさそうに「大違いやのう」とぼやく。

www.instagram.com

 夕方、通販で注文した『カネコアヤノ TOUR 2020 “燦々” 弾き語り・東京編 2020.1.10草月ホール』が届く。すぐに開封すると、注文したライブアルバムの他に、先日リリースされた『爛漫/星占いの朝』の7インチレコードのサンプル盤が同封されていて、納品書にマネージャーのMさんからメッセージが書き添えられている。うちにレコードを再生する設備はないけれど、大事に飾っておくことにして、ライブアルバムをさっそくパソコンに取り込んだ。それを聴きながら、夕食の支度をする。きんぴらごぼうと、こんにゃくの炒め物を作ったところで、「餃子作るのが得意なひとー?」と呼びかけると、スパコーンと引き戸が開き、知人が嬉しそうに「はーい!」と手を高く挙げる。