9月9日

 8時半に目を覚ます。今日は案外すっきり起きられた。テレビでは「使用済み段ボール 外注の温床に」と特集を組んでいる。おそろしい。コンビニで毎日ビールを買ってくるのは、「飲み口に誰かの手が触れたのでは」と神経を尖らせてしまうので、ここ数ヶ月は箱買いしているけれど、「あの段ボールが虫の居場所になってしまうのでは」と、前々から不安になっていた。ゴキブリに合わずに生きていきたいと願っている。沖縄に出かけると、夜道を歩けばやたらと遭遇するし、思い出横丁の酒場でも小さいやつとよく出くわすけれど、「あーはいはい」と平常心を保って過ごしている。外で出くわすぶんには平気なのだけれど、家で出くわすのは避けたいところ。

 昨晩遅くにサッポロ一番塩らーめんを食べてしまったので、朝ごはんは食べずに済ませる。正午頃にメルカリで注文した「日記」が届く。台風が接近している時期に発送されたからか、いつもより厳重に梱包されている(いつもビニール袋に入れた上で封筒に入れられているけれど、今週はきっちりテープで留められるタイプのビニール袋で梱包されている)。「日記」を読んだあと、『空気階段の踊り場』(103回)をラジオクラウドで聴く。今年に入ってからしか聴いていなかったので、この回は聴いたことがなく、鈴木もぐらが銀杏BOYZファンだったということも知らなかった。ラジオを聴きながら、向井さんと出会った頃の記憶を思い出す。銀杏BOYZZAZEN BOYSは、ある側面では対照的なところがあるけれど、鈴木もぐらの語る距離感――芸人として売れるまで、自分から銀杏BOYZの話をしないという感覚――は、ぼくの中にもあるような気がする。

 昼、納豆オクラ豆腐そば(冷)を平らげ、洗濯物を干す。来週からのツアーに向けて、持参するバスタオルやフェイスタオル、靴下やパンツなどを洗濯しておく。午後、企画「R」の原稿を書く。昨日まで書いていたところから、どんなふうに接続すればよいかと考えあぐね、捗らず。16時近くになってようやく構成がまとまってきたので、買い物と気分転換に散歩に出た。「往来堂書店」で『群像』と野坂昭如『「終戦日記」を読む』を購入し、スーパーマーケットと近所の肉屋で肉を買って帰途につく。11900字まで原稿を書き進めて、20時、知人と乾杯してキッチン焼き肉を始める。肉屋で買ってきたみすじがびっくりするほどうまかった。パソコンからTverで『有吉の壁』を1時間遅れで再生する。今日初めて知ったのだけれども、番組終了後にTVerで配信が始めるのではなく、放送が始まる時間に配信が始まるらしかった(つまり、リアルタイムで観ることができる)。焼き肉を続けながら、『ロンドンハーツ』も再生する。

 1時間半ほどで焼き肉を終えて、居間に移動し、知人にも『空気階段の踊り場』を聴かせる。知人はいたく感じいっているようだったので、番組を聴き終えたところでテレビをケータイとリンクさせ、YouTube銀杏BOYZのライブ映像を再生する。目がビー玉みたいだ。そこからDragon Ashのことを思い出し、「Let yourself go, Let myself go」のプロモーションビデオを観た。懐かしくてたまらない気持ちになる。ぼくはさほど音楽に興味があったわけでなく、オリコンチャートに入る音楽くらいしか聴かない高校生だったので、高校2年生を迎える春に、音楽番組の「もうすぐTOP10」みたいなコーナーでこの映像を目にして、こんな乾いた感じの音楽があるのかと驚いたことを思い出す。知人はぼくと同い年だが、「この映像の色!」と懐かしそうに言う。この感じの色味を出したくて、フィルターかけたりしよったわ、と。同じ時代を生きていても、美大を志していた知人には違ったふうに見えていたのだなと、妙に感心しながらチューハイを飲み、最後はオールド・パーをストレートで飲んだ。『AMKR手帖』に写真を掲載するために買い求めたオールド・パーも、残り少なくなって来た。