5月11日

 8時過ぎに起きて、コーヒーを淹れ、食パンを焼く。J-WAVEでは別所哲也が「体重が緊急事態宣言です」と言っている。知人を見送り、10時半からジョギングに出る。動坂上に出て、住宅街を抜ける。本郷通りを越えると、さらに閑静な住宅街だ。大きな一軒家が並んでおり、何だろう、「文化的」な感じがする。うちからジョギングでこれる範囲だというのに、ヨソモノのような気分を抱えながら走り、仙石駅前に出たところで引き返す。汗が滲んでくる。今日はずいぶん暑くなりそうだ。シャワーを浴びると、段ボールに梱包してソファの下に収納してある扇風機を取り出す。ガムテープで塞いでいなかったせいで、中にホコリが入り込んでいたので、掃除機で吸ってゆく。「強」で吸ってもホコリがうっすら残るので、しぶしぶ雑巾を引っ張り出し、パーツを丁寧に拭く。額に汗が滲んでくる。昨日のうちにやっておけばよかったと後悔しても遅かった。

 なんとか扇風機を組み立てて、寝転がって弱風に当たりながら、クロノトリガーで遊んだ。どうしてダウンロードしてしまったのだろう。『勇者ああああ』というゲーム番組を観て、その番組でクロノトリガーが取り上げられていたわけでもないのだけれど、ふいにその存在が思い出されてダウンロードしてしまった。少し前に、「このままではずっと遊んでしまう」とマリオカートを削除したばかりだというのに。お昼にカレーライス(最後の一皿)を食べたあとも、またクロノトリガーをする。15時頃になって「これでは駄目だ」と思い直し、『こころ』を読んだ。日が暮れる頃になって読み終える。前に読んだときよりも、ずっと「気分」の部分を受け取ったような感触がある。前はもっと、そこで描かれる倫理なり理屈なりを受け取ろうとしていたけれど、この小説の舞台となった時代の底に流れる気分を受け取ったような気がする。

 次はどれを読もうか。そろそろ締め切りが視界に入ってくる原稿もあるから、きちんと計画を立てておかなければ。本を並べ替えながら、『ハイパーハードボイルドグルメリポート』を手に取る。知人は遅くまで仕事をして帰るようなので、晩ごはんはどうしようか。お酒は飲まずに、麻婆豆腐丼でも食べようかと思っていたけれど、夕方頃にLINEでビアガーデンの話をしてしまったので、ビールが飲みたくなっている。企画「R」、いつ頃公開になるのだろうと様子を伺うのと、次回のことを相談しようということもあって、グループLINEにメッセージを流したのだった。結局缶ビールを開け、21時半に帰ってきた知人と一緒に、テレビで放映された『ハイパーハードボイルドグルメリポート』をNetflixで観る。