7時過ぎに起きて、セブンイレブンで買ってきたサンドイッチで朝食。月刊ドライブイン、資料を読んで原稿を考えれば考えるほど、追加で取材をしたくなってくる。2011年に小一時間ほど話を聞き、昨年末に3時間近く話を聞かせてもらっていて、それだけでも十分原稿は書けるのだが、最後の原稿だと考えると誰をも圧倒できるものに仕上げたくなる。店主の方に再度話を聞かせてもらえないかと電話をかけ、二つ返事で了承していただき、旅程を組むなど。

 昼、キャベツとアンチョビのパスタを作って食す。15時、『不忍界隈』取材。2時間ほどで終える。アパートに戻り、少し休んだのち、ジャケットを羽織って再び出かける。18時半の約束だが、18時20分に「やす幸」の暖簾をくぐると、すでにF・Kさんが座っておられる。手招きされて、恐縮しつつ席につく。今日は連載の打ち上げとして誘っていただいたのである。日本酒で乾杯。初夏でもお店は賑わっている。ツマミを数品食し、おでんをいただいたところで店を出て、とんかつ屋さんでカツ丼とビール。18歳の頃の自分に「Fさんと並んで銀座でカツ丼を食べる日がくるんだぞ」と言ってもにわかには信じられないだろう。高校生の頃、偶然Fさんの本を手に取らなければ、今のような人生は歩んでいなかっただろう。Fさんがポケットにしまったアイフォーンからはエイミー・マンが流れていた。

 20時過ぎにはFさんと別れ、さて、どうするか。友人のA・Iさんが「もし今日飲めたら飲みませんか」と誘ってくれていたことを思い出し、少し遅いスタートだが飲むことにする。水道橋で待ち合わせて、前に何度か利用したことのあるワイン酒場をのぞくも満席だ。それならばと近くのオープンエアーな酒場に入り、泡盛で乾杯。六本木アートナイトのひとしきり話す。町はジャイアンツのユニフォームを着た人たちで溢れている。0時を過ぎると店が閉まってしまい、白山通りを歩きながら缶ビールを飲み、小一時間ほど路上で話して別れる。