8月6日

 目を覚ますと、もうとっくに8時15分は過ぎてしまっている。今日はひたすら本を読んで過ごす。18時にアパートを出て、「越後屋本店」に行き、アサヒスーパードライを注文する。お店のお母さんが、今日も暑かったねえ、と言う。暑かったですねえ、と返す。ビールを飲んで、しばらくぼんやりする。でも、この時間になるとさすがに涼しいですねえ、とお母さんに話しかける。そうねえ、ちょっと風が出てきたからね、と答えながら、お母さんがおかきを渡してくれる。お寿司がプリントされた袋で個別包装されている。ビールのお代わりを注文する。まだ夏だというのに、もう日が短くなってしまって、まだ19時にもなっていないのに夜になろうとしている。細い三日月が浮かんでいる。ビールを運んできたお母さんが、今、台風きてるんだってね、と言う。そうですねえ、今日、台風10号もできたみたいですよと答える。ビールを飲み干して、ごちそうさまと言って帰途につく。これが今日交わした言葉のすべてだ。大した会話なんて交わしてないけれど、人生というのはそういうものなんだろうなと、妙にセンチメンタルな気持ちでいる。