8月13日

 7時半に目を覚ます。昨日は久しぶりに酒を飲まなかったせいか、すぐに起きられた。茹で玉子を2個作り、食す。昨日に続き、『待ち遠しい』を読み進めて、昼過ぎには読み終える。面白かった。テーマがぴったり重なるというわけではないけれど、『待ち遠しい』と『夏物語』が2019年の初夏に出版されたのだなとしみじみ思った。納豆オクラ豆腐そばを作って食し、柴崎さんの小説を読みながら思い浮かんだことを、作品ごとにワードに書き出していく。

 知人は帰りが遅くなると言っていたけれど、今日も19時頃には帰ってこれそうだという。夏だからか、あるいはスパイスの刺激で喉の具合を改善しようとしているのか、昨日も一昨日も食べたのにカレーが食べたくなってくる。久しぶりに無印良品のキットでキーマカレーを作ろうと思い立って、17時過ぎ、バスに乗って上野に出る。マルイの地下に降りて、手作りキーマカレーキットを探す。バターチキンカレーやグリーンカレーのキットは並んでいるのに、キーマカレーは見当たらなかった。商品が空になったスペースも見当たらなくて、おかしいなと思って店員さんに尋ねてみると、販売終了したと言われてしまう。あれが一番好きだったのに、人気がなかったのか。キーマに限らず、手作りキット自体が不人気なのかもしれない。視線に近い高さは温めるだけで食べられるレトルトカレーが何種類も並んでいて、手作りキットは一番下の段に追いやられている。わざわざ時間と手間をかけてスパイスカレーを作るような人は、自分でスパイスを買ってきて作る――ということなのか。

 そこまで考えたところで、スパイスを買い揃えれば、キットがなくともカレーを作れるのだと気づく。しかもここは上野である。ネットで検索して、「小津屋商店」を訪ねる。行ってみて気づいたのだが、以前フィレンツェの家庭料理を作ってみようと思ったときに豆を買い求めた店だった。一体どれを買えばキーマカレーが作れるのだろう。無数に並べられたスパイスを前に圧倒されていると、スパイスキーマセットというのを見つけた。店員さんに尋ねてみると、レシピ通りに作れば、7回くらいは作れる量が入っているという(1回あたり2〜3人前)。それで1980円なので、無印良品で買うよりもお買い得だ。それを購入して再びバスに乗り、千駄木まで引き返す。「越後屋本店」でアサヒスーパードライを1杯だけ飲んで、スーパーで食材を買って帰る。アパートに到着して、さっそくカレーを作り始める。料理に慣れておらず、たまねぎをみじんぎりにするのに手こずったけれど、1時間ほどで完成。何度か作ればもう少し短縮できるだろう。カレーを作っているうちに帰宅していた知人と乾杯し、晩酌。カレーは美味く、それだけで一晩酒が飲めた。