12月6日

 昨夜は何度か目を覚ました。夢の中でも書評のことを考えていた。具体的な言い回しを考えているわけではなくて、なんとなくこう、全体の構成をゆらゆら考えていた。最初のこれぐらいの行数でこの基本的な説明を入れて、印象深いのはこのあたりの話と、このあたりの話と、あとはあのエピソードだけど、どういう順序に構成したら通りがいいだろうか、とボンヤリ考えていた。7時過ぎに目を覚まし、書評を書く。6割ぐらいまではスムーズに進んで、残りをじっくり悩んで、「まだゆるさが残っているけど、締め切りの時間だし、あとはゲラで」という気持ちでメールで送信する。

 昼、近所の八百屋へ。ベーコンは食べ尽くしたけど、今日もなんとなくパスタの気分だ。カルボナーラを作ってみようかと思いながら八百屋に出かけたものの、たまねぎを刻んで、卵を混ぜて、という工程を想像すると、シャバシャバで、たまねぎが生焼けのカルボナーラが浮かんでくる。きっと調理を重ねれば美味しく作れるようになるのだろうけれど……その「重ねる」という作業が億劫なものに感じられてしまい、結局落合シェフのパスタソースを買って帰り、パスタを茹でてソースと絡めてお昼にする。

 午後、日記を書いているうちに、担当の方からメールで返信がある。いくつかもらった指摘を反芻しながら、書評をどう修正できるかと頭を悩ませる。16時過ぎ、少し行き詰まったところで散歩に出て、「往来堂書店」へ。スズキナオの新刊と、信田さよ子と上間陽子の対談集、それに『地域人』を買う。『小説すばる』を立ち読みして、宇田智子「小さな本屋の本棚から」が今回で最終回だと今更ながら知る。コーヒー豆を買って帰り、書評を仕上げ、メールで送信しておく。

 最近は酒浸りだった(特にいわき滞在中は酒量がどうしても増えていた)のと、それにともなって体重が増えていたのとで、今日は酒を飲まないことにする。鳥やさい鍋の具材を買ってきておいて、知人に調理してもらって、20時過ぎから晩酌。録画してあった『THE MANZAI』を観ていたものの、こちらが飲んでいないと知人もどこか興が乗らない様子で、ビールを2本飲んでしまうと「寝る」と言う。布団を敷き、知人が横になる準備をしておいてから洗い物をして、お茶を飲みながら『言葉を失ったあとで』を読み始める。酒を飲まないと意識が明瞭なままだ。