9月30日

 7時過ぎ、ヘリコプターの音で目が覚める。こんな朝からヘリが飛んでいるなんて、なにか大きな事件か事故でもあったのかとニュースをつけてみても、特にそんな情報は見当たらない。フライトレーダーのアプリを起動してみると、東京上空に数機のヘリが飛んでいる。中にはずっと都心の上空を旋回し続けている機体もある。しばらくすると、それぞれ別の航路を飛んでいたヘリがひとつの方向に収束し、西に向かって飛んでいく。ああ、国葬に関連して来日していた要人が、次の目的地に向かうところだったのかと、しばらくして気づく。

 8時、テレビでは朝ドラの最終回が始まる。与那国島で第一話を観てから、もう半年経ったのかとびっくりする。最終話もすごい展開だ。

 正午近くになって、Amazonから荷物が届く。注文していたPerez Pradoの『Mambo Mania』と、中島みゆきのデビュー作から5枚目までのアルバム。ツアーに同行している途中で、デビューアルバムを聴く機会があって、ちょっとこれはじっくり、ひとりで、歌詞を見ながら聴きたいと思っていた。ただ、中島みゆきの曲はまったく配信されていないようだったので、まとめて買おうと、とりあえず5枚目まで注文したのだった(自分はあれだけCDを買ってきた世代だというのに、しかも、そういうものにお金を払わなければと思っているほうだというのに、「配信されてないから買う」という感覚を抱いたことに、自分で驚いた)。

 昼はサッポロ一番塩らーめんを平らげて、CDをパソコンに取り込む。夕方までに「S・I」の原稿を完成してメールで送信して、17時半には中島みゆきを聴きながら晩酌を始める。『私の声が聞こえますか』。すごいタイトルだ。