二日酔いで目を覚ますのはいつぶりだろう。どんなに記憶をなくしても、二日酔いになることは滅多にない。帰りの電車で眠ってしまって、気づけば松戸にいたという日の翌朝だって、かえってすっきり目覚める。だが、今日はあきらかに具合が悪くなっている。目を覚ますたびに台所へ行き、大きなグラスで水を飲み干す。10時半になったところで、仕方なく体を起こし、ぐったりしたままシャワーを浴びる。11時、整骨院。今日は肉入りのソース焼きそばを作って食す。肉を入れたほうがかえって体力を取り戻せるのではと思ったが、そんな効果はなかった。

 やっとの思いで何通かメールを送信したのち、16時過ぎ、近所の銭湯へ。ずいぶんと長いこと湯に浸かっていないので、昨日の酒を洗い流すには湯に浸かるしかないのではと思ったのである。コインランドリーばかり利用してきた「ふくの湯」に向かうと、洗い場は老人で一杯だ。なんとか片隅にスペースを見つけて体を洗って、湯につかる。湯は案外空いていて、ひたすらジェットバスに打たれる。バキバキになっていた身体が少しだけ回復したような心地がする。夜、セブンイレブンで親子丼を買ってきて食したのち、煎茶を啜りつつ、『不忍界隈』のテープ起こしを進めた。つけておいたテレビはどれもつまらなかった。