1月6日

 8時近くになって目を覚ます。こんなにぐっすり眠ったのは久しぶりだ。酒を断った次の日は、身体の内側からアルコールが染み出してくる感じがする。軽くストレッチをしてジョギングに出る。一昨日は気づかなかったけれど、不忍通り沿いにある中華「たいこうけん」が空っぽになっている。ジョギングのたびに通りかかり、いつか行ってみようと思っていたお店だ。「いつか」なんて言っていても永遠に行くことはないと、わかっていたはずなのに。休日のお昼にときどき出かけていた、千駄木の「天外天」も、気づけば閉店していた(年の瀬に「越後屋本店」に立ち寄ったとき、つい最近閉店してまったのだと聞かされた)。「天外天」はちょっと値が張るので、頻繁には食べに行けなかったけれど、何を頼んでも美味しかった。ランチセットだけで満腹になれて、日が暮れても腹が減らないほどだった(別にボリュームがすごいわけでもないので、いつも不思議に思っていた)。最後に知人と出かけたのは秋ごろで、コロナ禍の影響でお客さんは少なくなっていた。知人はビールを、ぼくは紹興酒を何杯もお代わりしながら食事をしていると、年配のウェイターの方が嬉しそうにお酒を運んできてくれたことを思い出す。何にも追いつけない感じがする。不忍池で引き返し、アパートまで帰ってくる。近所のゴミ集積場に現場用ヘルメットが大量に捨てられていた。

 昨晩知人が作った鶏モモ肉とカブの白ダシ炒めが残っていたので、それをお雑煮にアレンジしてもらい、餅を焼く。このお雑煮はえらくうまかった。昆布の顆粒出汁しか使っていないというけれど、しいたけの味がする。しいたけはずっと苦手な食べ物だったけれど(ただの食わず嫌いだけど)、しいたけで出汁を取ったらうまいかもしれないなと、ケータイでぽちぽち検索する。10時半、Zoomを繋ぎ、ワークショップに関するミーティング。今後の方向性を話し合っている様子を聞き、後半でドキュメントの方向性について相談する。まだまだ模索する必要がありそうだ。そもそも参加者はドキュメントとして記録されるために申し込んだわけではないだろうから、線引きを慎重に考えなければ駄目だ。

 お昼に納豆オクラ豆腐そば(温)を平げ、コーヒーを淹れる。午後は昨年末にしながわ水族館で取材した音源をテープ起こしする。テレビではミヤネ屋が流れている。「罰則」という話が出るたび、どうしてこんな状況を招いた政治家に対する罰則がないのかと思ってしまう。注意を喚起するだけでなく、制度を設計するのが政治家だろう。「法律を作るべきだと、去年の春からずっと言っていた」と語る橋下徹のほうがまともに見えてしまう。テープ起こしを終えると、午前中のミーティングを経て考えたことと、気になっていた点を文章にまとめて、メールで送信しておく。19時過ぎに帰ってきた知人と、とり野菜みそ鍋で晩酌。未視聴のままになっている正月番組を片づけようと、まずは『正月千鳥』を再生してみたけれど、これは観なくていいだろうと途中で再生を止める。次に再生した『コントの日』も途中で止めてしまって、最後はBS世界のドキュメンタリーで放送されていた『RBG 最強の85歳』(前編)を観た。