1月8日

 8時過ぎにジョギングに出る。今日はネットで注文しておいたアンダーアーマーのスポーツマスクをつけて走る。たしかにズレることがなくて快適だけど、鼻とマスクの合間に少し隙間があって気がかりだ。いつものコースであるS坂はまだ凍っているようだったので、東大前を経由し、言問通りを下って不忍通りに出る。不忍池を見て引き返し、「ベーカリーミウラ」に寄ってコーンチーズのパンとオリーブのパンを買う。店主のTさんも店頭にいて、ちょっと橋本さん、半ズボンじゃないっすかと声をかけられる。コーヒーを淹れて、パンを食す。午前中は本のチラシを作る。橋本さんにご自分で作っていただいたほうが、イメージに合ったものになるのではと言われていたので、ああでもない、こうでもないと思案する。

 米を炊き、レトルトカレーを温めて昼食にする。知人はたまごかけごはんで済ませていた。食後、頭痛がし始めて、しばらく横になっていた。知人は録画したままになっていた『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』を観ている。知人はその回のクライマックスが訪れるたびに号泣し、目とメガネのあいだにティッシュを挟んでいる。その様子を写真に収めておく。少し頭痛が治まったところで、原稿を書く。仕事をしながらも、台詞が棒読みの俳優が気にかかり、その俳優が登場するたびにモノマネをする。「こっちに構ってないと死ぬんか」と知人は笑っている。17時過ぎに散歩に出て、よみせ通りを歩く。今日は人出が多く感じる。「E本店」に行ってみると、お客さんで溢れ返っている。マスクなしで過ごしている人が多いので、生ビールを買うだけ買って、夕焼けだんだんまで散策する。かつてプロフィール写真を撮った場所にある建物はすっかり解体されていた。

 帰宅後、どうも体が痒いなと思って服をめくってみると、蕁麻疹が出ている。あれは何年前だったか、イタリアに出かけていたとき以来だ。滞在中、リアルタイムでドキュメントを描いて過ごしていたら、あるときから夜になると蕁麻疹が出るようになって、数日酒を控えたらどうにか治まったという経験がある。何が原因で出ているのだろう。夜は寄せ鍋。比内地鶏スープというのを買って鍋にしてみたのだけれども、安い割に大変うまく、今度から寄せ鍋はこれでやろうと知人と話し合う。

 鍋を食べ終えたところで、『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を観た。いつもバラエティばかり観てしまうけれど、そこまで面白いと思っていないのにだらだら観ていることも多々ある。今年は、面白くないバラエティは途中で再生を止めて、映画やドキュメンタリーを観ようと、Netflixで気になる作品リストを作っておいた。そのなかから、知人が「これ」と選んだのが『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』だった。三島にこれまでほとんど関心を抱いてこなかったけれど、全共闘側が混ぜ返すように言葉を用いているのに比べて、真摯に語る三島の姿が印象に残る。言葉で作品を構築することと、世界に関わろうとすることが、大きなテーマとしてある。映画を観ながら、数日前に岸壁で話したことを思い出す。