1月19日

 昨日の日記に書きそびれていたこと。知人が定期預金しているという話を聞き、一体どういう貯金なのかと尋ねてみると、どうやら積立定期であるらしかった。貯金ということに無縁に生きてきたせいで、「積立」という言葉にもピンとこず、それをすると何になるのか、何かデメリットはあるのか、「とりまとめ日」ってなんだとアレコレ調べる。口座を持っている銀行の支店は徒歩数分の場所にもあるのだけれど、このご時世だと出かけるのも憚られ――違う、この年齢になって「積立って何ですか?」と聞くことに抵抗があり、ネットだけで調べた。ほとんど利息なんてつかないけれど、毎月口座から自動的に貯蓄にまわしてくれる上に、「口座にこれだけお金があります」ということではなく、「貯金してあるぶんがこれだけあります」と分けて考えられるのは便利だなと、積立口座をオンラインで開設した。38歳にもなってどうかと思うが、貯金用の口座を開設した……!というだけで晴れやかだ。

 昨晩は夜中に何度か目を覚ました。焦げくさいにおいが消えるようにと、キッチンの窓、網戸がついていないところまで全開にして眠っていた。すると、カタカタという音が聴こえてくる。窓の外から鳴っているには音が近く、おそるおそるキッチンの扉を開けると、テーブルの上にあった紙が風で飛ばされて音が鳴っていたのだった。朝になっても、まだ焦げたにおいが残っている。居間に置いてある空気清浄機をキッチンに移動して、ターボモードで稼働する。日記を書き、ブログを読んでまわる。楽しみにしている「寿司日乗」に、物書きと口数の少なさの話が出てくる。ぼくもどちらかと言うと口数が少ないほうだ。迂闊なことを言ってしまって、その言葉が相手に残り続けたらと想像すると、おそろしくて口籠ってしまう。誰かと話していても、「今日の段階で言葉にできるのはここまでだ」と思ってしまうこともある。あと、雑談や世間話ができないというのもある。

 昼は焼きそばを作って知人と平らげる。豚コマ、キャベツ、豆もやし、ニラ。今日は上手に出来た。午後、原稿を書く。よく晴れているのと、窓を全開にして換気したいのとで、きりのよいところで散歩に出る。「往来堂書店」を冷やかし、何も買わずに帰ってくる。この季節だけど、最近はずっと入り口の扉が開け放たれている。アパートに戻ると、同席(?)しているワークショップの記録の方針について、思っていることをメールで送信しておく。それだけで1時間以上経ってしまう。19時まで原稿を書く。明日にはようやく書き終えられそうだ。

 夜は知人の作る料理で晩酌。なんと呼んでいいのかわからないけれど、挽肉とネギとパクチーを春雨と和えたやつがとても酒に合う。昨晩放送されたドラマ『夫のちんぽが入らない』、すでに放送が始まっている今季のドラマでは、これがずば抜けている。ド深夜に放送されているドラマだけど、「この絵を撮りたい」という意気込みが伝わってくる。それを観終えると、WOWOWで放送された『狂った野獣』観る。主演の渡瀬恒彦が冒頭の30分はほとんど台詞がなく、おいおいどういうことだよと思っていたけど、後半のアクションを観て納得。これはテレビ画面ではなく、スクリーンで観なければ味わいきれないのだろうな。「映画は全部そうだ」と言われたら返す言葉はないけれど。