11月2日

 6時過ぎに目を覚ます。コーヒーを淹れ、たまごかけごはんを平らげる。9時半に家を出て、千代田線で西日暮里に出て、京浜東北線に乗り換える。最初のうちは席が埋まっていたけれど、品川あたりから席が空き、端っこに座る。横浜駅が近づいたところでまたワッと乗客が増えて、横浜駅でまたがらがらになり、桜木町で下車。構内の売店シウマイ弁当を買って、10時55分に急な坂スタジオへ。今月末に上演される『m』の稽古場に立ち会う。昼過ぎ、近くの中華屋に出かけるというので、一緒に出かけ、名物のたんめんを平らげる。店内ではビールも注文しているお客さんが多いけれど、運ばれてきたたんめんはニンニクがきいていて、ビールが欲しくなる味だ。たんめんという食べ物に対しては、強い印象がない。地元にいたときはたんめんを出す店はなかった。東京にきてから初めて出会い、なんとなく流れで注文したことはあっても、「たんめんが食べたい!」という気持ちになったことはなかったような気がする。でも、今日は「たんめんってウマイ!」という気持ちになった。

 18時近くまで稽古場に居合わせる。稽古場にはPCR検査キットを受け取りにきた人がいた。香川での公演を終えて、これから別の作品の稽古が始まるところだから、検査を受けておいたのだろう。ぼくはぼくで、明後日から沖縄に出かけるので、秋葉原PCR検査センターに立ち寄り、検査を受ける。19時半に帰宅し、知人と晩酌。ツマミは昼に食いそびれたシウマイ弁当だ。弁当に入っているシウマイは5個。「シウマイ1個多く食べてええけ、唐揚げ食べていい?」と知人が言う。そう言われそうな気がしていたのだけれども、なんだか納得がいかず、小さい包丁を持ってきて半分に切る。昨日から、「もしも自分が事件の現場に居合わせていたら、どうすることができただろう?」と考えている。パッと思い浮かんだのは、ベルトだった。ベルトを抜き、バックルとは反対側を持って、鞭として使う。しならせてバックルが当たると、なかなか痛いんじゃないかなんて呑気に考えてしまっていたけれど、それで包丁に立ち向かえるかとなると、やはり心許ないなと思う。どうしてこんなことを想定しなければならないのだろうと思うけれど、どうしてそんな行動に至ってしまう人がいるのかということとを考えるべきなのだろう。