5月11日

 5時過ぎ、テレビを無音でつけておき、資料を読む。稽古終わりで、資料をあたって確認したいことについて話し合っていた。たぶんその作業は自分のほうが得意だろうなと思ったので、自宅にある資料をあれこれあたって、ワードにまとめてプリントアウトしたり、資料をスキャンしてプリントアウトしたり。気づけば8時近くになっていて、ふとテレビに目をやると、上島竜兵の姿が映っている。なんだろう、コロナに感染したのかなとテロップに目を移すと、「死去」の文字があり、「えっ」と声が出る。その声で目を覚ました知人も「えっ」と言っている。

 番組が『ZIP!』から『スッキリ』に切り替わる。画面越しに動揺が伝わってくる。もともと俳優を志してこの世界に入ったこと、最近は俳優としても注目されつつあったことが語られている。しばらく経ったところで、「もう変えてええ?」と、知人が『ラヴィット』にチャンネルを変える。お弁当を詰めたあと、知人は知人で朝食を作り、僕は納豆ごはんとインスタントの味噌汁で朝食をとる。テレビでは超一流職人が認めたおいしいパンをランキングで発表している。いや、こんなことやってるけどさあと言いそうになったけれど、そんな話を持ち出すと、知人からすると朝から重い気持ちになって嫌なのだろうな(だから『ラヴィット』が好きなのだろうな)と思ったので、黙ったまま納豆ごはんをかきこんだ。

 10時54分に稽古場について、まとめておいた資料をそっとAさんに渡す。見方によっては「頼まれてもいないのに、作品の内容にかかわってくるところに出しゃばってきた」ということにもなってくることなので、図々しいとは思いながらも、稽古が早く終わった日はすることもないし、こういう作業は得意なので、、ともごもご言い添える。今日も11時から稽古が始まる。17時まで。京浜東北線、今日も横浜から座れたものの、混み合っていてやっぱり暗い気持ちになる。

 上野で降りて、エキュートへ。中華のお店が「水曜日は水餃子の日」と貼り紙を出していて、少し安くなっているらしかったので水餃子にする。タレはポン酢と中華風と白湯があり、中華風を選んだ。山手線で西日暮里に出て、乗り換える。ちょうど階段を降り切ったタイミングで千代田線がホームに入ってきて、それぐらいのことで嬉しくなる。水餃子で晩酌。水餃子を中華だれにつけて頬張った知人が、味が強いなこれ、と驚く。何個か食べたところで、ああわかった、これ水餃子だから、このたれで煮るんやないんと気づく。あとで袋を見ると、水で薄めて水餃子を煮るようにと指示が書かれてあった。