1月26日

 8時過ぎに目を覚ます。鍋の残りを雑炊にして朝ごはんにする。昨日は結局、新しいアルバムを聴けなかった。今の生活で音楽を流している時間というのは、シャワーを浴びている時間か、家事をしている時間だ。そうすると、歌詞カードを見ながら聴くことはできないけれど、そんなことを言っていたらいつまで経っても聴くことができないので、まずはシャワーを浴びながら再生する。風呂から上がると、今日こそはと、朝からテープ起こしを進める。起こしても起こしても終わりが見えない。先週あたりから原稿の構成を考え始めていて、やはり稽古に入る前のことから書かなければと思い至り、今は2020年の春にいる。

 お昼近くになって『ひるおび』が始まる。マスクに関する話題が冒頭に取り上げられていて、真鍋かをりが「今はマスクなしで卒業式をさせてあげようという話も出ていますけど」と語り、学校でのマスク緩和をと呼びかけている。テレビをつけていると集中力が削がれるので、めずらしくテレビを消して作業を進める。昨晩のイリチーも残っているので、お昼は冷凍ごはんを解凍し、セブンイレブンで買ってきて、一緒に平らげる。このあとリモート収録するラジオ番組で話すことを見返し、メモを整理しておく。13時半からFaceTimeを繋ぎ、ラジオを収録する。10分間の番組で、今日は5週ぶん録る。7分強×5回、手元でストップウォッチをまわしながら話をした。一回ごとに『市場界隈』のタイトルを読み上げてくれるので、これは反響がありそうだ。

 午後は「観光地ぶらり」の記事を原稿確認してもらえるように、メールを送ったり、郵送したり。17時近くになって連載1回目への写真の入れ方、キャプションに関する連絡があり、写真の選定を始める。そのやりとりをしているうちに19時過ぎになる。19時15分、ニュース速報の音が響く。こんな時間に何事かと、テレビに視線を向ける。数秒後に「新型コロナウイルスの5類へ引き下げ/5月8日から 政府が方針固める」と表示される。もう予算を出せないというだけなのだろうけれど、議論を積み重ねて政策が決定されるのではなく、気配でだけ話が進んでいく。ここ数年はずっとそんな時代が続いているように感じる。それとは別に、政府が発表する方針で、空気が変わり、人の行動が変わっていくのを、この3年はずっと感じてきた。春以降はあまり遠出したいと思えなくなってくるような予感がする。

 ビールを開けて、知人が買ってきた「海上海」の惣菜で晩酌。22時過ぎまでひとしきり飲んだあと、アイスが食べたいという話になり、知人が買い物に出る。そのあいだに洗い物をしながら、『タオルケットは穏やかな』を続きから再生する。洗い物が終わったところで最後の1曲に差し掛かり、ほどなくして知人が帰ってくる。もうラストの1曲だし、その曲を途中で中断したくはなくて、そのまま聴いていると、「なんで自分だけ好きな音楽を聴いているのか、不公平だ」と文句を言われ、ようやく聴くことができた最後の1曲なのに、どうしてそんなことを言うのかと反論して喧嘩になり、ソファでふて寝する。

 

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