1月9日

 6時過ぎに目が覚めて、布団の中でうとうと。テレビには緊急事態宣言下の街の様子が映し出されているけれど、案外人が減っていないようだ。もちろんこの状況下でも仕事に出なければいけない人だっているのだろうし、その人たちに社会のインフラは支えられているのはわかるけれど、それでもやっぱり「去年の春はあんなに人出が消えたのにな」と思ってしまう。あのときは、こんなふうに社会は立ち止まることができるのだなと思ったのだけれど、遠い昔のことのように感じる。8時に知人を起こし、チャンネルをTBSに変えると、「まるちゃんおはよう」と知人がテレビに挨拶する。その『サタデープラス』に橋下徹が出演している。こんな番組にまで出てくるのかと驚く。メディアは橋下徹待望論への道を作っていることにどこまで自覚的なのだろう。

 コーヒーを淹れてパンを焼く。午前中は頼まれていた書評の原稿を完成させる。思いのほか苦戦したので、時給に換算すると300円ぐらいだ。知人はパンを食べたあとずっと眠っている。お昼はいらないというので、中村屋レトルトカレー(タンドリーバターチキン)を買ってきて、じゃがいもと冷凍ごはんをチンして、そこにかけて平らげる。半分ぐらい食べたところで満腹になったがどうにか完食。午後は機内誌『C』のテープ起こし。土曜日だからかあまり捗らず、ケータイで桃鉄をやりながら起こす。テレビでは今日も2000人を超す新規感染者だと報じている。底が抜けた感じがする。Twitterを眺めていると、コロナが不安なので休場したいと申し出た力士が、「そんな理由での休場は認められない、出場か引退か選べ」と迫られ、引退することになったという投稿が流れてくる。理不尽にもほどがある。

 夜は新しく始まったドラマを再生しながら、昼から仕込んだおでんをツマミに晩酌。今日の具材は大根、玉子、こんにゃく、ちくわぶ、つみれ、それにシウマイ。全体的に白っぽい仕上がりになった。テープ起こしもそこそこに、昼過ぎからずっと仕込んでいたのでうまかった。『直ちゃんは小学三年生』という新ドラマは、大人たちが小学3年生を演じるドラマで、完全に昭和後期の小学生あるあるだ(若い世代はこれをどう観るのだろう)。それを観ていると、小さい頃に「ニューヨーク」を国だと勘違いしていたことが思い出される。一緒に観ていた知人も「外国っていうところはハワイだけやと思うとった」と嬉しそうに言う。「全然足りねえじゃん」という劇中の台詞から、武富士のことが思い出され、YouTubeで再生する。2001年の映像が、ずいぶん遠い昔の映像のように見える。『直ちゃんは小学三年生』、ドラマとしてはなんてことないドラマだったけど、クレジットに「オープニングディレクター」と「コロナ対策スタッフ」がクレジットされていることが印象に残る。