2月23日

 7時過ぎに目を覚ます。知人は結局、深夜2時近くに帰ってきた。大学の同級生と飲んでいて泥酔し、帰りの電車で寝過ごして我孫子まで行ってしまい、タクシーで2万近くかけて帰ってきたのだという。飲んで帰りが遅くなるのも、金を使うのも好きにすればいいけれど、いくらピーク時に比べると新規感染者数が減ってきているとはいえ、こういう時代に正体をなくすほど外で酔っ払うのはやめてほしいと強めに伝える。

 燃えるゴミをまとめて出す。あれこれネット通販で買ったせいか、久しぶりに自宅で過ごしているせいか、ゴミがたくさんだ。コーヒーを淹れ、朝食の支度をする。納豆ごはん、インスタント味噌汁、きんぴらごぼう、ししゃも3匹。午前中は昨日に引き続きつげ義春を読んでいた。12時を少し過ぎたあたりでチャイムが鳴り、荷物が届く。これもまたネット通販で買ったものだ。今は思うように外出できず、となると家で過ごす時間が増えるので、あれこれネット通販で買ってしまう。今日届いたのはやちむんのマカイだ。自宅でも「ごはんと汁物と惣菜」という組み合わせで食事をするようになると、気に入った茶碗を使いたくなり、ネットサーフィンしていたところ読谷北窯の手頃な値段のものでよさげなやつがあったので、すぐに注文してしまっていた。届いてみると、想像よりひとまわり大きかった。米を炊き、研ぎ汁でやちむんの目止めをして、さっそく新しい茶碗で昼食をとる。手に持ってみるとでかく感じるが、200グラムを盛るのにちょうどよいぐらいだ。お昼のおかずは、鶏胸肉ともやしを炒めて、カレー粉をまぶしたものにする。

 午後はS・Iのドキュメントを書き進める。今日は夜にクラムボンのライブがある。チケットは先行予約で取っていたのだが、会場の「東京ガーデンシアター」ってどこだろうかと調べてみると、有明のあたりだ。Googleマップで検索すると、電車とバスを乗り継いで、片道1時間と表示される。今の状態で、片道1時間の距離を移動するだけでもハードルが高いが、帰りは混雑してもっと時間がかかるだろう。その上、おそらく2時間以上はあるライブを楽しめる体調にはなく、泣く泣く諦める。こんなにも遠出を繰り返してきて、片道1時間を「ちょっと遠いな」と感じる日がくるとは。

 日が暮れた頃に知人が帰ってくる。RF1でローストビーフ蒸し鶏の惣菜を買ってきている。20時近くまで仕事をして、知人と「晩酌」(僕はまだノンアルコールだけど)。パソコンをテレビに繋ぎ、ペイ・パービューに課金して、武藤敬司引退試合をアベマで観る。じっくり吟味するように観ている自分がいる。そこにむせかえるような熱狂はなく、引退試合なのだから当たり前のことなのだけれども、ひとつの時代が終わっていくのを見届けたような心地がする。

 先週末に放送されたオールナイトニッポン55周年の特番も、気になる番組だけ遅れて聞いているけれど、「“レジェンド”が一日限りの復活」という感じのプログラムが中心だからか、そこでも終わりゆく時代に立ち会っているような感覚に駆られたことを思い出す。それとはまた別の話として、『ウッチャンナンチャンオールナイトニッポン』を聴き、僕はこのふたりのことをほとんど知らないままテレビ画面で観てきたのだなと感じた。ナンチャンが趣味人なのは知っていたけれど、ウッチャンってこんなにも無趣味というか、空洞のような感じなのかと、今更ながらに驚く。