7時過ぎに起きる。引き続き腰に違和感があり、ジョギングはやめておく。朝、豆腐とネギの味噌汁。午前中は『月刊ドライブイン』の原稿を完成させる。良い原稿が書けた。自分の文章が素晴らしいということではなく、聞かせていただいた方の話がとても面白い。お昼にキャベツと酒盗のパスタを食べたのち、メールを確認すると、原稿依頼が届いている。180W程度の説明的なテキストで、これを外注するのか……? ある程度の蓄積がなければ書けない原稿なのに、180Wではほとんどお金にならないだろう。普段なら断るところだが、昨日観た『アメトーーク!』の影響もあり、引き受ける。なめんなよという気持ちもどこか込めつつ、30分で書き上げて送信。

 夕方、九段下。地下鉄を降りると、若い子がたくさんいる。セブンイレブンでビールを3本、赤ワインのミニボトルを1本買って、日本武道館。今日はクリープハイプのライブがあり、尾崎さんからご招待いただいていたのだ。これまでにも何度かお招きいただいているが、何もお返しできていないので恐縮する。受付でいただいたチケットを手に歩いていくと、ステージが真正面に見える席だ。しかも1階席だから、ステージもほぼ同じ高さに見えて、アリーナで盛り上がるお客さんの姿も一緒に見渡せる。こんな席に座ってしまって、余計に申し訳ない気持ち。

 開演と同時に缶ビールを開けて、ライブを堪能。当たり前のことを書くようだが、武道館でライブをするなんてすごいことだ。見上げると三階の見切れ席のような場所にいるお客さんまで盛り上がっている。言いたいことを真正面から言って、これだけお客さんを呼んで、また次もライブに来たいという気持ちで帰らせる。それは本当にすごいことだ。それに比べると、自分はどこか逃げているのではないかという気持ちにさせられる。音楽と違って、文章は目の前にいる誰かを相手にするものではないし、書いた言葉は永遠に残る。だから「今の誰かに届かなくても仕方がない」と思っている節がある。それでは全然駄目だと、バンドの姿を見つめていてしみじみ感じる。ライブの最後にはアルバムのリリースに関する発表もあり、ただただ楽しみだ。

 それにしても、僕の周りはおそらく関係者席だったのだけれども、あの態度は一体どういうことだろう。席を立たないのは別に悪いことではないし、座って観るほうが楽だから僕も座って観ていたけれど、ほとんど拍手もせず、ケータイをいじり、ぼんやり過ごしているのは一体どういうことなのだろう。厳しい目で観ているというのなら別だが、ケータイを観るくらいなら帰ればいいだけの話だ。前から三列目までは座っていて、四列目以降は皆立っていたから、そこが関係者席との境目なのだろうけれど、すぐ後ろにいる、自分でチケットを取った人たちの視界にそんな自分の姿が入ることに対して、申し訳ないと思わないのだろうか。