2月20日

 7時半、タクシーを拾って上野駅を目指す。特急ひたちが停車しているホームに向かうと、電車の方向幕をスマートフォンで撮影している人をちらほら見かける。緊急事態宣言下で、久しぶりの遠出の記念に収めているのだろうか。スノーボードを背負った人の姿もある。一番奥の車両の前に、制作のK.Sさんが立っている。車内に乗り込むと、Mさん、Jさんの姿がある。発射時刻ギリギリに、F.Tさんも電車に乗り込んでくる。

 電車は満席だ。先週の地震の影響で東北新幹線が動いておらず、それで満席になっているようだ。車内アナウンスの「仙台行き」という言葉にどこか引っ掛かりをおぼえる。ぼくがいわきに出かけるようになったのは2011年からで、その当時はいわき駅が特急の終点だった。でも、そうなっていたのは震災の影響で、常磐線が全線復旧したことで、特急ひたちも仙台行きに戻っていたのだった。

 10時過ぎにいわき駅に到着し、ワークショップの会場に荷物を置く。Fさんは「この4日間のうちに行っておきたい店リスト」を書き始めている。まずは駅近くの「フレイズ」という喫茶店に行き、お昼ごはん。どのサンドウィッチも大盛りだ。ぼくが頼んだピザトースト、食パンを一斤まるごと使っている。13時からワークショップが始まり、その様子を見つめる。