11月22日

 朝のうちに、書評を書いてメールで送信しておく。ホテルを出て、8時55分には劇場にたどり着く。9時に劇場がオープンし、テクニカルチームが搬入作業に取り掛かる様子を見守る。12時過ぎに後発組の皆も劇場に到着し、1階のレストランで昼食をとる。ぼくはクアトロフォルマッジのピザを選んだ。運ばれてきたピザを1切れ食べて、そうか、このピザを選ぶとひたすらチーズと向き合うことになるのだなと今更気づく。食後、上演される部屋では仕込みが進められてゆく。そことは別のリハーサル室で、日が沈みかけた頃に稽古が始まる。じっと見入る。日常生活で誰かに何かを言おうとすることは滅多にない(と思い込んでいるだけな気もする)けれど、こうして観ていると、なにか大切な一言を伝えたくなる。夜、今なら言葉を伝えられるタイミングかもと思って話を切り出したけれど、うまく届けることができず、ぼとっと言葉が地面に落ちる。今日の稽古を観ていると向井秀徳の歌声が脳内で響いていたこともあり、ラーメンを食べようと決めていたので、22時過ぎにひとりで「鳳翔」に入り、ラーメンを平らげ、瓶ビールを飲んだ。